IR、日本の現状は

日本のIR(インベスターリレーションズ)はというと、
1970年代頃から海外で資金調達をする企業の間で
年次報告書の発行や投資家向け説明会等が実施されるようになり、
1980年代後半にはIR担当部署を設置する企業も増え始めました。
1993年には日本IR協議会が設立されています。

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Photo by (c)Tomo.Yun

この数年でIRという言葉もかなり浸透してきたとは言え、
未だにIRとPRの違い>が分からないとか、
特に困るのは会社において、トップマネジメントが
IRの重要性を理解していない場合です。

※IRとPRの違いは、PRが自社の製品をより多くの消費者に
購入してもらうための販促活動であるのに対し、IRは、
各ステークホルダー(利害関係者)の求める情報
(自社にとって不利な情報も)を提供して信頼関係を築き、

資本市場で公正な企業価値(株式価値)を得るための広報活動です。

IRが総務部や広報に所属している会社がまだ多いのは、
日本がアメリカに比べてまだまだ遅れていると言わざるを得ません。

IRの重要性について
社内で共通の認識(コンセンサス)が得られていないと、
IR担当者はその会社でスムーズに仕事を進めることが出来ず、
正しい情報を集めることもできません。

理想的なIRは、各ステークホルダーが求める情報を
最適なタイミングで提供することであり、

短期的なビジョン、長期にわたるビジョン、両方を示すには
その会社がしっかりとした経営理念を持っているのかが
問われることとなります。

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しかしながら、いいIRの会社がいい会社かと言うと…
2005年4月に悲惨な鉄道事故を起こしたJR西日本も
IRという観点から見ると、非常に優秀な会社だったのです。

リコール隠しで大問題になった三菱自動車も、1999年に
IR優秀企業賞を受賞しています。

JR西日本も三菱自動車も自社にとって不利な情報は
流していませんでした。

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企業にはバランスシートに表れることのない価値ある無形資産が存在し、
中でもブランド価値の閉める割合は大きい、
というのは昨今人気のある考え方ですが、
長い時間をかけて構築したブランドが崩壊する時は一瞬です。

確固たる経営理念の元、正しい情報を開示し、
各ステークホルダーと常に良好な信頼関係を維持し、
本当の意味で「良い」IRを続けていくことは、
金融・経済のグローバル化が進む現代において、
欠かせない経営戦略である事は疑う余地もありません。

社会的責任、説明責任(アカウンタビリティ)を果たさない
企業の存在は、IRへの信頼を損ない、

せっかく少しずつ復活しつつある株式市場、そして
個人投資家の積極的な投資行動を
手控えさせることになっています。

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